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キャリアダンプとは?種類や用途・必要な資格を解説!

キャリアダンプは、主に造成現場などの工事現場で使用されています。近年では、集中豪雨や巨大台風などの影響で生じる復旧作業において、自衛隊も積極的にキャリアダンプを活用しています。この優れた機械は、クローラー(キャタピラー)によって不整地でも自走し、ダンプとしての使命を果たします。

キャリアダンプとは

キャリアダンプの主な目的は、不整地におけるダンプ作業です。この機械は不整地を走行し、作業が可能なように設計されています。

クローラーにより、軟弱な地面や傾斜地でも作業ができ、クローラーを使用したスピンターン(左右のクローラーを反対方向に回してその場で車体を回転させること)やキャビンや架台の旋回により、狭小地での作業も容易に行えます。

一般的なダンプトラックが進入できないような土木作業現場の不整地において、土砂の移動や荷の運搬を行う荷役作業が主要な作業となります。

また、近年では災害による復旧作業などで大いに活躍し、不整地に自走で進入し、ユンボで掘り取った土砂や瓦礫を搬出・移動させるなど、不可欠な存在となっています。

 

 

キャリアダンプの種類

 

ベッセルタイプ

「ベッセル(vessel)」は英語で船や容器を指します。

ベッセルキャリアダンプは、船底のような形状をしており、アオリのないタイプの架台を備えたキャリアダンプです。主に造成現場や河川改修などで利用され、大きさが定まらない砕石や土砂などをユンボなどで積み込み移動し、その後ダンプ機能で排出させやすい形状の架台を特徴としています。

 

 

三方開タイプ

このキャリアダンプは、その名の通り、後方のアオリだけでなく、左右のアオリも開くようになっています。これにより、積載物の積み込みや荷降ろしが容易に行えます。三方向のアオリが開くことで、狭小な作業現場や運転に不慣れな運転手でも作業がしやすいタイプのキャリアダンプとなっています。

 

 

 

キャリアダンプの用途

キャリアダンプは多岐にわたる用途で活躍しています。主に土木の作業現場で多く見られます。以下はその主な用途です。

 

  • 山林伐採の搬出: 伐採された樹木や掘り出された岩や土砂を効率的に搬出します。
  • 造成工事: 土砂を積載して現場内での移動や積み替えを行い、地形を整備するための造成工事に活用されます。
  • 河川改修: ユンボと協力して河川の改修作業で土砂の移動を行います。水陸両用で浅い河川での作業も可能なタイプがあります。
  • 浚渫土の搬出: 浚渫作業で採取された土砂を搬出するために使用され、水陸両用のタイプが特に有用です。
  • 不整地や軟弱土での作業: クローラーと回転する架台により、不整地や軟弱土での作業が可能です。
  • 急勾配の傾斜地や狭小地での作業: クローラーと回転する架台により、急勾配の傾斜地や狭小地でも機動性があります。

 

キャリアダンプとダンプトラックは共通の目的を持ちますが、ダンプトラックが主に長距離移動に向いているのに対し、キャリアダンプは現場内での積載物の移動に特化しています。

 

 

キャリアダンプを運転するために必要な資格とは?

小型特殊自動車に対応できる原付以上の免許、大型特殊自動車免許が必要になります。

作業での操作には不整地運搬車運転者もしくは上位資格である建設機械施工技師の資格が必要となります。

最大積載荷重1トン以上の場合は「不整地運搬車運転者」の資格が必要です。

「不整地運搬車運転者」の資格についての取得手続きに関する詳細は次の通りです。

  • 資格の取得条件: 労働安全衛生法に規定された「不整地運搬車運転者」の資格は、1トン以上の不整地運搬車を運転する場合に必要です。
  • 特別講習の要件: 1トン以上のキャリアダンプを含む全ての不整地運搬車を操作するためには、特別講習が必要です。通常、学科11時間と実技24時間の総合講習が必要ですが、大型自動車免許・中型自動車免許・準中型自動車免許・普通自動車免許を保有し、かつ該当する作業に3ヶ月以上従事経験のある方は学科7時間と実技4時間に短縮されます。
  • 講習の実施場所: 講習は都道府県労働局長が登録した教習機関または建機メーカーの各事業所で実施されます。
  • 就業資格: 不整地運搬車運転者としての就業には、18歳以上の制限があります。

 

 

 

まとめ

様々な作業用途において卓越した性能を発揮するのがキャリアダンプの特長です。

ゴム製のクローラーは扱いにくいことがありますが、鉄製のクローラーと比較すると車体の重量を軽減し、アスファルトを傷つけずに作業範囲を広げることができました。

気候変動が原因かどうかは不明ですが、毎年繰り返される風水害の復旧作業においても頼りにされる存在となっています。

キャリアダンプの存在を頭に留めておき、必要な時にはその利用を検討することは、将来に備える賢い選択と言えるでしょう。