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トラックとダンプの違いとは?

トラックとダンプの違いとは

ダンプトラック、通称ダンプカー、正式名称は「ダンプトラック」です。この名前の由来は、英語の「dump」からきており、「重い荷物などをどさりと降ろす」という意味です。ダンプトラックの起源はアメリカで、1934年にユークリッド社によって15トン積みのダンプトラックが開発されました。日本で初めて使用されたのは、佐久間ダム建設工事で、その後も御母衣ダム工事や九頭竜ダム工事などで大型化された輸入車が使用されました。

しかし、昭和31年(1956)には国産の15トン積みダンプトラックが開発され、国土復興事業と国産化政策の一環として投入されました。これにより、国内でのダンプトラックの生産が始まりました。ダンプトラックは主に土砂を運ぶために使用され、建設工事などで活躍しています。また、現在ではさまざまな業界で使用され、産業用移送機として幅広いモノを運搬する役割を果たしています。

 

 

 

トラックとは?

トラックは様々な物資を運ぶための自動車の総称であり、日本の物流に欠かせない運送手段です。日本の地形は山地が多く、その地域で生活や産業が行われるために、効率的な輸送が必要です。2050年のカーボンニュートラルを目指す現在、モーダルシフトが進められていますが、物資がターミナルから最終のユーザーまで運ばれる輸送において、トラックは不可欠な存在です。日本の物流を24時間支え、欠かせない役割を果たしています。

 

 

トラックの種類

トラックはさまざまな形状や装備によって、様々な種類があり、異なる輸送物に対応しています。積載物は製品から原料まで幅広く、その種類に応じてトラックも多様です。特に、積載量が10t以上の大型トラックでは、荷台の形状や装備が異なり、積載物に合わせたバリエーションが存在します。

 

主に下記の4種類に分類されます。

 

平ボディ 荷台がフラット型で、汎用的なトラックです。これらのトラックは、11~15tの最大積載量を確保できます。
バンボディ 荷台がアルミ製の箱型のトラックです。この箱型の構造により、風雨から荷物を保護することができます。
ウィングボディ 荷物の積卸しがしやすいように、バンボディの両側が開くトラックです。この形状が、開いたときに鳥の翼を広げたように見えることから、「ウィングボディ」と呼ばれています。
冷凍冷蔵車 荷台に冷凍・冷蔵装置を搭載し、荷台内部を冷凍庫や冷蔵庫のように保冷することができるトラックです。このタイプのトラックは冷凍食品や生鮮食品を新鮮な状態で運ぶのに適しています。

特殊な形状のトラック

タンクローリー 石油や液体化学物質などの液体を運搬するためのトラックで、その特徴は楕円形状のタンクを荷台に装備していることです。この楕円形のタンクは、液体を積載した際に不安定になるのを防ぎ、重心を低く保つ役割を果たします。
バルク車 小麦粉や肥料、砂糖などの粉粒体を運ぶトラックです。粉粒体を降ろすときは空気の圧力を使って、ホースから出します。
ミキサー車 生コンクリートを運搬するために設計されたトラックで、その特徴は荷台を回転させて生コンクリートを混ぜ続け、固まらないように保つことができることです。生コンクリートは現場での即座の使用が必要なため、ミキサー車はコンクリートプラントから工事現場へ素早く運ぶ役割を果たします。
塵芥車 ゴミを回収する車です。たくさんつめるように圧力をかけて潰しながら、ゴミを積んでいきます。
ダブルキャブ トラックの運転席の後ろに追加の座席があり、通常の運転席に加えてさらに一列の座席があるトラックです。このデザインにより、トラックに多くの人を乗せることができ、配送現場などで作業員を同乗させるのに便利です。
ダンプ車 荷台の前部分を持ち上げて荷物(主に土や砂利などの散在物資)を容易に降ろすことができるトラックの一種です。この機能により、建設現場や土木工事などで土砂や材料を運び、必要な場所に効率的に投入できます。

 

 

 

ダンプとは?

第二次世界大戦後の日本の迅速な復興は、早期のインフラ整備とそれに伴う工事の着手によって実現しました。まず、電力と水力発電の確保を目指して山岳地帯に多くのダムが建設されました。また、日本全国を結ぶ道路や高速道路の建設においても、ダンプトラックが不可欠な役割を果たしました。大量の土砂や物資の運搬において、ダンプトラックは非常に強力なパートナーであり、これらの施設建設に貢献しました。

現在でも、建設業だけでなく、私たちの日常生活においてもダンプトラックは重要な役割を果たし、輸送活動の一翼を担っています。

 

 

 

土砂ダンプと土砂禁ダンプ

ダンプトラックにはさまざまな種類がありますが、一般的に公道で目にすることが多いのは「土砂ダンプ」と「土砂禁ダンプ」です。土砂ダンプは建設工事などで土砂の運搬に使用され、荷台を傾けて積み荷を目的地に排出することができます。積み込みには重機や揚重機が必要です。

一方、土砂禁ダンプは土砂の運搬が目的ではなく、軽量でかさばる物資(草木、落ち葉、ペットボトル、ごみなど)を運搬するためのダンプトラックです。荷台が高く、風や振動で積荷が飛散しないようにネットやシートで覆うことが一般的です。しかし、土砂を運搬することは禁止されています。このような特徴から「土砂禁ダンプ」と呼ばれています。

 

 

ダンプの種類

 

まずダンプには普通ダンプと建設用ダンプがあります。

普通ダンプトラック(一般公道を走行できるダンプトラックです) トラックのシャーシに可動式の荷台を架装し、走行性能を保っています。
ダンプトラック(大規模土木現場専用、一般公道は走行不可) 「オフロードダンプトラック」「マンモスダンプ」とも呼ばれ、積載量は20~300t、大規模ダム建設、トンネル建設などの現場での運搬をします。

構造による分類

リヤダンプ 荷台を後方に傾ける方式のダンプトラック
サイドダンプ 荷台を左右側面に傾ける方式のダンプトラック
三転ダンプ ピンの組み換え等で後方にも左右にも傾けることのできるダンプトラック
クレーン付きダンプ ユンボなどを必要とせず、自力で揚重作業のできるダンプトラック
リフトダンプ リフトアップ機能があり、高所へ積荷を下ろせるダンプトラック

 

 

 

まとめ

トラックは、様々な物資を輸送するための自動車の総称で、日本語では一般的に「貨物自動車」と呼ばれます。そして、ダンプトラックはトラックの一種です。

ダンプトラックは、荷台を傾けて積荷を一度に下ろすための機械装置を備えたトラックであり、主に土砂や産業廃棄物などを運搬するために使用されます。私たちが日常生活で必要な物資やインフラ整備に欠かせない存在であり、過去から現在にかけて日本の発展と整備に貢献している重要なトラックの一種です。